釣行記 番外編(釣り引退を考えかけた話)

忘れ物

物騒な題名ですが、本気で釣り引退を考えかけた話です。

できれば皆さんにこんな思いをしてもらいたくないので、この話を参考にしてもらえたらなと思います。

私自身は魚釣りが大好きなのですが奥様があまり釣りが好まないため、家族で釣りをする機会がほとんどなく、単独または友人との夜の磯釣りをメインとしています。

実は一番下の子(男の子です)は結構釣りに行きたがるのですが、海の危険性を考慮して小学校に上がってからだよと言い聞かせていました。

そして今年に入って一番下の子も小学生になったので、一緒に釣りに行くことになりました。

釣りに行く話で盛り上がっていると、上の子(女の子です)も行きたいと言い出し、結局3人で行くことになりました。

釣り具屋にて

やるからには釣らせてあげたいのと、土曜日の釣行ですので出来るだけ混みあっていない場所が良かったので、釣り場は館山の丸山堤防を選択しました。

丸山堤防は、過去に夜釣りでクロダイとメジナを釣った実績のある場所です。夕マズメがメインの釣り場なのですが、暗くなる前には引き上げたいのと子供の限界時間(あまり長いと子供って飽きますよね)を考慮し、15時から17時半くらいの短時間プランにしました。

本当はもう少し長い時間をやりたいところですが、無理はできません。

自宅を12時に出発し、館山の釣り具屋「マリンスポット釣吉」に到着したのは14時ごろ。10月の後半ですが気温は高く、むしろ暑いくらいです。

子供たちは二人とも車で寝てしまっています。解凍予約したオキアミと配合餌、付けエサを購入しコマセはお店で作ってしまいます。

普段は平日の夜にしか釣りにかないので、土曜日の昼間に来るのは久々です。来客も多いですねえ。みんな夕マズメ狙いかな。ちょっといつもと違う雰囲気にワクワクしつつ、準備を整え丸山堤防に向かいました。

丸山堤防での釣り

無料駐車場です。

二人の子供も目を覚まし、もうすぐ釣りができると興奮している様子。これは是が非でも釣らせてあげて、あわよくば釣り仲間にしていきたいところです笑

海沿いの無料駐車場に車を止めて、さっそく堤防に向かいます。

丸山堤防は海沿いの道をまっすぐ進み小さな丘を越えた先にあります。山道のような場所を抜けていくので子供たちはちょっと冒険のようで非常に楽しそうです。

この奥の岩を乗り越えて右に続く山道を登っていきます。

堤防には先客が1人のみ。地元の方でしょうか。話を聞くとあまり釣れていないようです。ちょい投げスタイルですので狙いはキスでしょうね。

釣り座を確保した後、子供たちを堤防をざっとみることに。割れ目やテトラにカニや貝がびっしり。普段から釣りに行く私からすればいつもの風景ですが、子供たちは目を輝かせています。いやー連れてきてよかった。

山道から見た海岸の様子です。ビーチからも投げ釣りしている人がいましたね。

というかはしゃぎすぎて若干危ないくらいです。

とりあえず、準備をして仕掛けを作っていきます。今回はフカセ釣りに挑戦させることにしました。まあ、これが私の一番得意な釣りですし笑

子供にはウキが沈んだら竿を立てる、それのみに集中してもらうためコマセワークやエサの付け替え、仕掛けの投入はすべて私がやります。

二人なので2セット準備しました。これがいざ始めてみるとめっちゃ忙しい!笑

でも、たまにはこういうのも良いですよね~。なかなか釣れませんが心地よい時間が過ぎていきます。

ふと周りを見るとカップルの釣り人が2組、ルアーマンが1人と、さびれた堤防のわりに人も増えてきました。

連れてきてよかった!楽しそう~。

海は凪に近く穏やかでしたので、ロングタイプの自作ウキを使っています。感度に優れているため凪には真価を発揮してくれます。

すると上の子のウキが微妙に上がったり下がったりしています。竿を立ててみるとエサは取られてる。これは怪しい。再度同じ場所に投入すると、今度はウキがスッと沈みます。

すかさず子供が竿を立てると、小さいですが魚が掛かった様子!「重い~!」と子供も大興奮。

見事に小さなカサゴを釣りあげました笑 でも人生で初の釣果です。いやー私も嬉しい。

娘の初釣果です。かわいいサイズですが笑

活かしバッカンに魚を入れると元気に泳ぎ回っています。下の子も「釣りたい!」と俄然やる気になってきました。周りを見るとポツポツ釣れ始めていますね。

夕マズメにはまだ早いですが地合いかな?小さくても良いので本命(クロダイ、メジナ)が釣りたいところです。

コマセを集中的にうち、ウキの反応に集中します。

すると、下の子のウキが少し沈んで動きを止めました。あ、クロダイっぽい。

少し間をおいて、子供に竿を立てるように伝えると、竿がグイっと曲がります!きたきた!

「リールが巻けない~!」お、これは結構でかいか?せっかくなので堪能してもらおうかと様子を見ていると、まさかの針外れ笑

あー手伝えばよかったかなあと後悔しましたが、すでに時遅しですね。下の子は手が痛い!と言いつつも本格的な魚の引きに大興奮していました。

日が沈む前に撤収する予定が・・・。

しかし、ここから地合いが来るかと思いきやまさかの沈黙・・・。下の子はまだ釣れていないので少し粘ることにしましたが、結局なにも釣れず辺りはすっかり暗くなってしまいました。今思えば明るいうちに変えればよかったと後悔しています。

撤収

丸山堤防は漁港ではないので街灯はありません。なので、真っ暗の中ヘッドライトを使って釣る具の撤収をしていました。風も少し出てきており、子供はトイレに行きたい、お腹すいたと言い出してきました。

焦りながらバタバタと釣り具を収納して、堤防の上に忘れ物がないことを確認し堤防を後にしました。

暗くなる直前の堤防の様子です。撤収前ですね。

実は堤防の入り口にも少し荷物を置いていたので、帰りがけに入り口付近でいったんロッドケースを足元に置いた後、荷物を背負子に収納し足早に駐車場に向かいました。

子供はお寿司が食べたいというので、たまには100円じゃない寿司でもいいかなと、近くの少し高級な(回転すしですがw)お寿司屋に行くことにし、みんなすっかり満腹になって帰路につきました。

事件発生

自宅に着いたのは21時ごろ。子供をお風呂に入れた後、釣り具を清掃しようとしたときに事件が発生しました。

車の後部からライフジャケット、バッカンを降ろし、ロッドケースを降ろそうとした時に気づきました。

あれ?ロッドケースがない。

車から降ろしたんだっけ?とあたりを見渡しますが、本当にありません。ここで血の気がサーッと引いていくのがわかりました。

そうです。ロッドケース自体をどこかに忘れてきてしまったんです。いやいや、うそでしょ。あんな大きいものを忘れるわけがないと何度も探しますがありません。

時間はすでに21時です。

自宅から館山までは高速を使っても2時間弱はかかります。距離だと100km超。高速代、ガソリン代を考えても往復で5000円くらいかかります。

しかも、堤防に忘れたとして、すでに4時間近く放置しており盗まれている可能性の方が高い。半泣きになりながら出した結論は、「ダメ元で取りに戻る」でした。

丸山堤防は漁港じゃないので人が少ないのと、引揚げ時には堤防上にはカップル1組だけですでに真っ暗でした。

散歩の人も来ない時間帯だし、暗くなってから夜釣りに来る人がいればわかりませんが、残っている可能性も十分あると判断し、再度向かうことを決断しました。

というのも、ロッドケースの中身は

ロッドケースの中身

・磯竿3本 ・ジギングロッド1本 ・レバーブレーキリール1個 ・スピニングリール1個

・ジギング用スピニングリール1個 ・たも網 ・たもの柄 ・柄杓 ・その他小物色々

(計算したら総額25万円超でした)

と、ほぼ主力の磯釣りセットが入っていたのです。使わないのに夜釣り用の3号磯竿(私にとっては高級磯竿なんです涙)を持ってきてたのが痛かった。夜釣り用の主力リールは置いていたので無事でしたが・・・。

丸山堤防にて(本日2回目)

諦めるには高すぎる金額。必死に車を走らせました。

高速に乗り、もし無くなってたら釣り引退かなあとか考えていました。正直、私の収入ではこの装備と同等のものを揃えるのに何年かかるかわかりません。

最新の釣り具ではありませんが、数々の魚を釣ってきた戦友でもありますし、思い出もたくさん詰まっています。

なんか色々考えてたら泣けてきてました。

やっとの思いで冨浦ICを降りたのは23時ごろ。道も空いてましたしかなり飛ばしました。焦る気持ちを抑えつつ、駐車場に到着。

まずは駐車場をざっと見ますが、ありません。胸がキューっとしてきました。

ヘッドライトを付けて丸山堤防に向かいます。丘を越えると丸山堤防が見えてきました。ヘッドライトの明かりは見えず真っ暗で誰もいないようです。

入り口付近に差し掛かった時、見覚えのあるロッドケースが!!!

あったあああああああああああああああああああ!

明るい時の写真ですが、堤防から上がったこの岩場のど真ん中にポツンとロッドケースがありました。

マジで涙出ました。正直盗られていてもおかしくないですし、ロッドケースの置いてあった場所も堤防から戻る道のど真ん中でめちゃくちゃ目立つ位置でした。

私たちが戻った時にまだカップルが残っていたので、必ずこのロッドケースを見たとは思いますが、盗らずに置いてくれてたんですね・・・。いい人で良かった(涙)

ケースの中身をざっと見ましたが、特になくなっているものはありません。今度はしっかり手に持ち駐車場に戻って帰路につきました。

と、釣り具一式を失いかけた日でした。私は過去に結構高い柄杓を釣り場に置き忘れたことがあるので、引き上げ前に必ず釣り場を確認する癖を付けていました。

ですが、久々の子供との釣りということや、思ったよりも遅くなり周りは真っ暗など、普段とは違う状況が、ロッドケースを忘れるという失態に繋がったのだと思います

いつもと違う状況で焦っている時ほど、一呼吸置きしっかりと周りを見ること。本当に焦っている時は、なかなか余裕がないとは思いますが、ぜひ皆さんも気を付けていただければと思います。

まあ、普通の人は、車に荷物を載せるときにロッドケースが無いことに気づくと思います!www

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