おそらく伊豆の夜釣り(その時の釣行記はコチラ)で咬まれてしまったマダニ。
食いついて取れないため、病院で除去してもらったりとかなり大変でした。(その時の様子はコチラ)
最近は国内でもマダニによる被害、感染症も増えているようです。私も磯釣りを始めて10年以上たちますが、マダニに咬まれたのは初めてでした。
今後も釣りで被害に遭うことのないように、釣り人目線でマダニの対策、咬まれた場合の対処方法についてまとめてみました。
マダニとは
今回の件で、マダニのことを色々と調べました。まずはどのような生き物か知る必要がありますよね。子供が持っていた危険生物の図鑑に記載されていました。
というか、マダニって危険生物なのね・・・。
そして、本当に怖いのはマダニがもたらす病原体のようです。
生息場所と釣り人の関わり
シカやイノシシ、野ウサギなど野生動物が出没する山や森に多く生息しているほか、民家の裏庭、畑、あぜ道にも生息しています。なんと最近では都内の公園や河川敷にも普通に生息しているようです。
基本的には植物の葉陰で動物や人間を待ち伏せし、哺乳類から発せられる酪酸の匂いや体温、体臭、物理振動などに反応して飛び降り、体に乗り移って吸血してくるみたいですね。
ということは、草木と直接衣服が触れ合うような場所が危険だということです。
釣り人目線で考えてみましょう。
堤防や磯の釣り場は、基本的には草木はないためマダニのリスクはないと言えます。(草木が多い堤防や磯では危ないかも)
問題は、釣り場への通り道ですね。森の中や草木が覆い茂っているところを通らないと行けないような場所は、マダニに取りつかれるリスクが高くなります。
私がマダニに咬まれたのも、ゴロタ浜に向かう途中の山道でした。釣り人しか通らないような山道ですので、草木をかき分けて進むような場所もありました。
このような場所はマダニに取りつかれるリスクが高いと言えます。皆さんの釣り場は大丈夫ですか?
釣り人がマダニに咬まれないためには
以上のことを踏まえて、釣り人がマダニの被害にあわない方法を考えました。
①マダニの生息範囲、活発な時期を避ける【効果:大】
そもそも、マダニが生息している場所を避ければよいのです。釣り場への通り道が何通りか選べるのであれば、森の中や草むらのある場所を避けましょう。
そのような通り道しかない釣り場は選択しないのも一つの手ですね。とはいえ、そういう場所に限って釣れるのですけどね。私がマダニに咬まれた場所もそうでした笑
もし、どうしても、マダニの生息する場所を通るような場所で釣りがしたいのであれば、マダニの活動がおとなしくなる冬の季節の釣行がおすすめです。
マダニが繁殖しやすい時期は13度以上と言われており、冬は活動がおとなしくなります。とはいえ、最近は冬の気温も上がっており、冬だからと言ってマダニの被害はないとも言い切れないのが実情のようです。
森や草むらを避けましょう。寒い時期であればマダニの危険は低いです。
②肌の露出を極力抑える【効果:大(③との併用がオススメ)】
マダニは草木から体に取りついてきます。そのため肌の露出を極力抑える必要があります。
頭にはキャップ、首にはタオル、長袖、長ズボン、手袋と肌の露出を減らします。ですが、肌の露出を抑えたからといって、完全にマダニを防げるわけでもありません。
マダニは衣服に取りついた後、吸血できる肌に到達するまで衣服上を動き回ります。そのため、衣服上のマダニを払い落とす必要があります。
実際に私がマダニに咬まれた時の服装はこうでした。
インナーに長袖とタイツ、アウターはゴアテックスのレインウエア上下を着用し、頭にはキャップ、首にはタオルを巻いて、手にはフィッシュグローブと肌の露出はほとんどありませんでした。
ですが、右わき腹を咬まれていました。衣服のどこからか侵入したのでしょう。思い当たるフシとして、衣服を脱がずにそのまま車に乗り込んだことです。
車の運転は5分ほどでした。移動後、服をすべて脱いでビニール袋に入れてからTシャツ、短パンに着替えました。もしかすると、着替える前の服にマダニが付着していて、車のシートに乗り移っていたのかもしれません。その後、運転中の私に取りついたのかも・・・。
肌を露出してはいけません。森、草木を抜けた場合はマダニが衣服についている場合があるので、払い落とす必要があります。
③家庭用の粘着クリーナーを使う【効果:中(②との併用がオススメ)】
これは、関東森林管理局のホームページに記載されていた服についたマダニを取り除く方法です。
家庭用の粘着テープ(通称コロコロ)を使って、服を着替える前に体をまんべんなくコロコロして、服に付着した小さなマダニを取ってしまうというやり方です。もし、マダニが取れた場合は、粘着面をたたんでしまえば、逃すこともありません。
これは画期的ですね!今度やってみよう。
ただ、背中など一人で届かない場所は同行者にやってもらう必要があるので、一人だと難しいのが難点ですね。
④虫よけスプレーを使う【効果:小(他の虫には利くが・・・)】
虫よけスプレーだと、マダニに効果があると言われている「ディード」、「イカリジン」という成分が含まれているものが有効だと言われています。
ですが結論から言いますと、効果はほとんどないと言わざるを得ないですね。
磯釣りでは、磯ヌカカややぶ蚊などの虫対策は必須なので、このスプレーは常に体中に吹きかけています。(それでもヌカカに咬まれますが)
この日も通り道の往復はもちろん釣り中もスプレーを定期的に吹きかけていましたが、効果が仮にあるとすればマダニに咬まれてないはずです。ただ、やぶ蚊などマダニ以外の害虫にはある程度の効果はあると思うので、使うに越したことはありません。気休めですが。
それでもマダニに咬まれたら
これだけ対策をしていても、もしマダニに咬まれた場合はどうすればよいでしょうか。対処方法についてまとめてみました。
どうやってマダニを取るの?
まずはマダニを除去しなければなりません。除去方法は病院で取ってもらうか、自分で取るかのどちらかです。
私も自分自身で除去を試してみましたが、がっちり食いつかれており無理でした。方法としては、ワセリン、塩などを使う方法がネットで紹介されています。
しかし、自分で取る方法はお勧めできません。
理由として、吸血するときにセメント様物質を出して自分の頭と皮膚を固定するマダニがいるからです。無理に取ろうとすると、頭が取れて皮膚内に残ってしまうことがあるみたいですね。
マダニの頭は非常に小さいので、自分で取り除くことは難しく、また、残った頭によって患部が化膿したり、感染症のリスクが高くなることもあります。
そのため、病院での除去をお勧めします。私は病院で取ってもらいましたが、お医者さんも頭が残っていないかかなり入念に調べてくれていました。
どんな病院に行けば?
皮膚科が専門です。外科でも場合によっては対応可能です。(私は外科で除去してもらいました。)
病院に行く前は必ず電話し、マダニの除去が可能か聞いてください。
土日祝日、夜間で病院やっていないんだけど?
消防署では、診療時間外であっても受診可能な病院を把握しています。119番ではなく、お近くの消防署の代表電話に連絡してください。
ここ重要です。119番だと救急車が来ちゃうので注意してください笑
消防署に電話してマダニの除去がしたいこと、対応可能な病院に受診したいことを伝えてください。私が電話したときは、折り返しの電話となりましたがすぐに病院名と電話番号を教えてもらえました。
そこからは、自分で病院に連絡してから病院に向かってください。
診療可能な病院がわからない場合は、消防署への確認が非常に便利なのでぜひ覚えてくださいね。
#7119という手もありますが、こちらは救急車を呼ぶべきか迷っている場合に利用します。すでにマダニ感染症のような症状が出ている場合は、#7119に電話してください。
マダニ除去後は?
あとは感染症に感染していないか願うばかりです。患部が化膿してきた、発熱、倦怠感など体に異常が出た場合は、マダニからの感染症が疑われるので、すぐに病院に行く必要があります。
マダニの感染症
マダニによる感染症を調べてみました。主に4種類あるようです。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
潜伏期間:6日~2週間
症状:原因不明の発熱、食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛、頭痛、筋肉痛、出血症状など
致死率:10~30%
保有マダニ:フタトゲチマダニ(日本全国に生息)、タカサゴキララマダニ(主に西日本)
感染例:九州地方や西日本地方に多いが、千葉県でも感染者は報告されており、関東にも広がっている可能性あり。
治療法:対症的な方法しかなく、有効な薬剤やワクチンはない。
<厚生労働省、国立感染症研究所ホームページより>
致死率は最大30%と出ていますが高齢者の方に多いようです。それでも3人に1人が死ぬって怖すぎですね。西日本、九州地方で釣りをされる方は特に注意が必要ってことですね。
日本紅斑熱
潜伏期間:2日~8日
症状:高熱、発疹、刺し口が赤くはれてかさぶた状になるのが特徴。紅斑が高熱とともに四肢、体に広がっていく。紅斑は痒くなったり、痛くなったりすることはない。
致死率:1%未満
保有マダニ:キチマダニ、フタトゲチマダニ(日本全国に生息)、ヤマトマダニ(主に東日本)
感染例:九州地方から関東地方まで日本の広い地域で報告あり。
治療法:テトラサイクリン系の抗菌薬が有効だが、早期治療が重要。治療が遅ければ重症化や死亡する場合あり。
<厚生労働省、国立感染症研究所ホームページより>
致死率は低いですが、症状が特徴的です。日本全国(北海道以外)で釣りをされる方は注意です。
ライム病
潜伏期間:1~3週間
症状:刺された部分を中心に特徴的な遊走性の紅斑が見られる。筋肉痛、関節痛、頭痛、発熱などインフルエンザのような症状が伴う。
致死率:まれに死亡することも
保有マダニ:シュルツェマダニ(北海道、本州では山間部に生息)
感染例:北海道、本土であれば山間部での報告が多い。
治療法:抗菌薬で治療ができる。米国ではワクチンもあるとか。
こちらは北海道で釣りをされる方は注意が必要ですね。カナダのロック歌手がマダニからライム病に感染した記事が載っていましたが5か月も寝たきりになったりと、致死率は低くてもなかなか強烈な症状のようです。
回帰熱
潜伏期間:平均15日
症状:発熱、頭痛、悪寒、筋肉痛、全身の倦怠感など風邪のような症状
致死率:数~30%
保有マダニ:シュルツェマダニ(北海道、本州では山間部に生息)
感染例:アメリカ、アフリカ、中東の一部で感染が報告されている。日本では2011年以降に北海道で2名報告されている。
<厚生労働省、国立感染症研究所ホームページより>
こちらは北海道や海外で釣りする場合は注意が必要です。しかし報告例は少ないです。
以上が主な感染症です。どれも非常に恐ろしい病気です。しかし、マダニのウイルス保有率は0~数%と非常に低いです。そのため咬まれたからいって、そこまで慌てる必要はないかもしれません。
ただし、もし万が一、上記のような症状が出た場合は、すぐに病院に行き医師にマダニに咬まれたことを伝えることが重要です。どんな病気もそうですが、早期治療が大事ということですね。
まとめ
もう一度おさらいしてみましょう。
この4点がマダニの予防策となります。①のマダニがいそうな場所を避けるのが一番効果がありますが、釣り場所によってはそうも言ってられない場所もあるかと思います。
その場合は②~③を徹底し、マダニを排除してください。④は気休めですがやらないよりはマシですね。
咬みつかれたマダニは病院で除去をお願いしましょう。診療時間外は消防署等を活用して病院を探すのがオススメです。
温暖化の影響なのか最近は特に被害が増えているマダニ。登山でもないから関係ないと思いきや、釣りでもマダニに咬まれることはあります。しっかりと予防し、咬まれた場合は適切な対応を心がけていただければと思います。
よい釣りライフを!
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