経験したことない人からすると、夜の磯釣りを始めるのに何が必要なのかよくわからないですよね。
特に磯釣り初心者だと、夜はハードルが高そうと尻込みしちゃう気持ちもわかります。
私が夜の磯釣りにハマったきっかけは、初挑戦でメジナ40オーバーが釣れたからでした。今思えばあのメジナが釣れていなければ、夜の磯釣りは続けていなかったかもしれません。
当時は磯釣り歴はあまり長くはなく初心者に近い状態でしたが、いきなり目標の40オーバーが釣れたことで、俄然やる気になって雑誌やネットの情報をみては、試行錯誤しながらいろいろな装備、タックルを試しつつ夜の磯釣りに通いこんでいました。
夜の磯釣りにハマって約5年たちますが、続けていく中で必要なもの、お金をかけた方が良いもの、逆にあまり使わないものなどが段々わかってきました。
磯釣り経験者であれば、持っている道具の大半はそのまま使えますし、逆にこれは買った方が良いというものもあります。
今回は、私の実体験を踏まえて夜の磯釣りに使うタックルや道具について、優先順位を踏まえたうえで詳しく解説していきたいと思います。
磯釣り経験者なら、普段使っているタックルをある程度流用しても大丈夫です。
これから夜の磯釣りを始めてみたいと考えている方々はぜひ参考にしていただければと思います。
仕掛け紹介
夜の磯釣りは、フカセ釣りの仕掛けで行います。
フカセ釣りとは、コマセ(オキアミと配合エサを混ぜて海水で固めたもの)を海に投入することで魚を寄せ、ウキであたりを取ってエサで魚を釣る方法のことを言います。
しかし、通常のフカセ釣りとはタックルや装備などが少し違うので、その部分について詳しく解説していきたいと思います。
タックル
まずはタックルについて解説していきます。
次から紹介していくものは全て必要なものです。夜の磯釣りに重要な順から説明していきます。
針(重要度:大)
針は、マダイ針の8~10号を使います。
マダイ針?そんな大きな針だと魚に見切られちゃうよ!
夜の磯釣りだと、針の大きさはそこまで釣果に影響しないんです。
フカセ釣り経験者ならびっくりするかもしれませんが、このぐらい大きな針を使います。昼の場合は、もちろん小さな針が有利ですが、夜は針が大きくても釣果にそれほど影響しません。
むしろ、通常のグレ針など小さいものは不意の大物がかかった時に、対応できないため、折角魚を掛けたのにバラしてしまった~と後悔することになります。
昼の釣りはいかに魚を掛けるかが重要です。しかし、夜の場合は、魚を掛けた後どうやって釣りきるかが重要なポイントになってきます。そのためにも強い針が必要になってきます。
ちなみに尾長が釣れる時期は、丸セイゴの10号とかも使います。丸セイゴは針の軸部分が長いため、尾長の鋭い歯でハリスを嚙み切られるのを防ぐことができるからです。
どのメーカーが良いというのはありません。自分の好みのもので大丈夫です。
ロッド(重要度:大)
ロッドは磯竿の3号、5.3mが基本です。
3号?1.5号しか持っていないけど使えないのかな?
1.5号だと魚を掛けても取り込めない可能性があります。夜の磯釣りは3号が非常に使いやすいです。
昼間に魚を掛けた場合、寄せた後にタモ入れして終わりです。
しかし、夜の磯釣りは、寄せた魚を海面から直接抜き上げます。
そのため、3号竿の強さが必要になります。もちろん、夜は大物がかかりやすいというのも理由の一つですが、抜き上げるためには強い竿でないと重さに負けて折れてしまうからです。
タモ入れをすればいいじゃない?と思いますよね。当然の疑問です。
しかし、夜は水面が暗く、浮かせた魚の位置を知るためには、海をライトで照らす必要があります。
夜釣りで海面をライトで照らすという行為はNGです。折角集まってきた魚たちをライトの光で驚かせ、その後釣れなくなってしまうという事態を招きかねません。
3号であれば、よほどの大物ではない限り抜き上げることが可能です。磯の上で何の魚か確認するワクワク感も夜の磯釣りならではですよ!
たまに3号でも抜けないぐらいの大物もかかります。その時はあきらめてライトを使ったタモ入れをするしかないですが・・・。
道糸・ハリス(重要度:大)
道糸はナイロンの4~6号、ハリスはフロロカーボンの4~6号を使います。
通常のフカセ釣りと同じで、号数の目安は道糸>ハリスとしてください。万が一、根掛かりしたときにハリスから切れてウキは回収できる可能性があるからです。
例えば、道糸6号ならハリスは5号という感じですね
道糸の種類はフロートタイプがおすすめです。
後で説明しますが、夜の磯釣りは、浅い場所を狙うことが多くなります。
例えば、遠くを探っていた時、サスペンド又はシンキングタイプのような水に沈みやすいラインを使用していると、ラインが沈んで手前の根に引掛かかるなどのトラブルを起こすことがあります。
昼であれば目視で確認してラインを操作し回避できても、夜だとそうはいかないですよね。
フロートであればラインの根がかりを100%回避するというわけではありませんが、可能性を下げることができます。
ただし、フロートタイプは同じ号数の他の種類のラインに対して、強度が低いことが多いです。浮力を出すためにライン内が空洞だったりするためですね。購入時に強度をしっかり確認し、ハリスより道糸の強度が下回らないようにしてください。
ハリスの方が号数が低いので大丈夫と思っていたら、道糸のフロートの方が強度が弱く、根掛かりしたときに道糸から切れて仕掛けごとロスト!なんて失敗を過去にしたことがあります。
ウキ(重要度:中)
夜の磯釣りなので当然、電気ウキが必要です。
夜釣りにつきものの根掛かりがあるため、1回の釣行に最低でも3個は欲しいところですね。
サイズはB~6Bってところでしょうか。電気ウキですので、そこまで高級なものは必要ありません。
ウキには、電池で光らせるタイプとケミホタルを差し込むタイプがありますが、見やすさで言えば電池タイプとなります。
ケミホタルを差し込むタイプでもミライトという商品を使えば、電池タイプと同じくらいの光量が出るのでオススメです。
キビナゴをエサにする場合は、もう少し浮力のあるタイプ(4B~1号)が使いやすいです。
話は変わりますが、私が当時使っていたウキは1個1500円ほどしました。ある夜の磯釣りで根掛かりや破損により、5個も一気にロストしてしまったことがあります。1500円×5個=7500円。泣きました。
それ以来、ウキをなんとか作れないかと自作するようになりました。自作ウキは自分の好みの大きさ、浮力で作れるのと、根掛かりを恐れず大胆に攻めることができるのでオススメです。
自作ウキについては、また別の記事で紹介したいと思います。
ウキ止め糸、潮受けゴム、ビーズ、ガン玉(重要度:中)
ウキ止め糸、潮受けゴムは、普段フカセ釣りで使用しているものをそのまま使っても大丈夫です。特にこれが良いというのはありません。
ガン玉はほぼ必須で使います。
夜は日中と違い、魚がいるタナに一直線に餌を入れたほうが釣果が上がりやすいです。そのため、潮の流れや波の状況などからウキに応じたガン玉を使ってください。
仕掛けの組み方は次の記事で紹介します。
リール(重要度:小)
使用する道糸の号数に応じたスピニングリールを使っていきます。
道糸ナイロン5号を使うなら、150m巻ける5000番あたりのスピニングリールですね。
ロッド、道糸、ハリス、針と強いものを使っているので、それに応じたリールが必要になります。
リールは当然必須です。重要度:小としたのは、高級なものは必要ないという意味になります。
フカセ釣りと言えばレバーブレーキというイメージですが、夜の磯釣りについては正直必要ないと感じています。
レバーを駆使したやり取りよりも、相手に主導権を与えず、強い竿を立ててリールをゴリゴリ巻いていくほうが大物を取り込めます。まさに力勝負です。
ちもとホタル・夜行玉(重要度:場合による)
夜行玉はハリの近く、ちもとホタルはエサの上のハリスに付けて淡く光らせ、魚を呼び寄せるために使います。
ただ、効果があるときと、逆に付けると釣れないときがあります。魚が食ってこない時に変化を与えるアイテムとして活用するとよいでしょう。
ちもとホタルについては、違う使い方もできます。
ちもとホタルの光が確認できるような、足元を狙う場合に限られますが、夜ではわかりにくい水中の潮の流れや、居食いしているような微細なアタリを読むのに非常に適しています。
オプションとして持っていくとよいでしょう。
装備
夜の磯釣りに必要な装備について解説していきます。服装のイメージはこのようになります。
フローティングベスト(重要度:必須)
磯釣りでは、夜も昼も限らずフローティングベストは必須です。
自分の命を守るのはもちろんのこと、釣りに必要な針、ガン玉、ハリス等の小物を収納するのにも非常に便利です。
落水時に自動で膨張するタイプは、磯にあたると破けてしまうので磯釣りには使えませんので注意してください。
ライフジャケットは意外に暖かいので冬の防寒にも役に立つのですが、夏は結構暑いです。
フィッシングシューズ(重要度:必須)
海藻や岩の質によっては非常に滑りやすいため、夜釣りに限らず、磯ではフィッシングブーツは必須です。中でもフェルトスパイクタイプがおすすめです。
結構良いお値段がしますので、最初は安いので試してみてもいいと思います。
私のよくいく館山の地磯は、ツルツルと滑りやすく低い磯が多いのでウェーダーにフェルトスパイクが付いているタイプをよく使います。
腰まで入れるので多少の潮だまりは気にせず動けるのが非常に便利ですよ。
以前、磯に到着して運動靴のまま状況を確認しにいったときに、思い切り滑っておしりを強打したことがあります。幸いにも海には転落しませんでしたが、非常に怖い思いをしました。
何度も言いますが磯でのフィッシングブーツは必須アイテムです。
ヘッドライト(重要度:必須)
夜釣りにはヘッドライトは必須です。特に赤色ライトが付いているものを選択してください。
魚にとって赤色は見えないので、水中を照らしても逃げることはありません。
間違っても白ライトで海面を照らさないように!他の釣り人からも非常に嫌がられる行為です。
値段はピンキリで、充電タイプのものから単3電池のものまで様々ですが、個人的には安いので十分だと思います。
ただし予備のヘッドライトは用意しておいた方がいいです。うっかり電池を忘れてしまって、スマホの画面の光で必死に釣りをしたことがありますが、あれは大変でした。
服装(重要度:大)
夜釣りの服装は重要です。雨、風を防ぐためもありますが、夜の磯と言えば「ヌカカ」が特に多いため、肌の露出をできるだけ少なくする必要があります。
キャップは不意な雨にも対応できるように、防水タイプが望ましいです。アウトドアメーカーや釣り具メーカーのものが使いやすいですね。
上着、ズボンは防水で長袖にしてください。釣り具メーカーのフィッシングウェアはもちろん使いやすいですが、かなり高いのでアウトドアメーカーのレインウエアで十分です。夜とはいえ夏場だと気温・湿度も高いので、できれば透湿・防水性能の高いゴアテックスがおすすめです。
フィッシンググローブはぜひ使ってください。磯場によっては岩が鋭利な場所もあり、不意に手をついたときにケガをする恐れがあります。また、ヌカカ対策としても肌の露出を抑えるという意味で、グローブは欲しいですね。釣り具メーカーのものを選べば問題ありません。
道具
夜の磯釣りの道具について解説していきます。
バッカン(重要度:必須)
フカセ釣りにはかかせないコマセを入れる容器です。
折り畳みのできるソフトタイプ、セミハード、ハードタイプがあります。ハードタイプを選ぶとよいでしょう。
コマセを撒く時、ひしゃくでコマセをすくってバッカンの壁面で固めてから投げるのですが、柔らかいバッカンだと固めるのがむずかしいです。ハードタイプをお勧めします。
ヒシャク(重要度:必須)
コマセを撒くために必要です。
あまり安価なものは投げにくいので、避けた方がよいでしょう。
磯釣りは、立った状態で脇にバッカンを置いて行います。
そのため、自分がしゃがむことなく手でとれる長さのヒシャクが使いやすいです。
特に夜釣りは体力を消耗するので、できるだけ無駄な動きをしないように工夫する必要があります。体の大きさに適したヒシャクを使うだけで疲労度が全然違います。
ちなみに私は180cmくらいありますが、長さは75cmのヒシャクを使っています。
また、ヒシャクをバッカンとつなぐリードも併せて購入しましょう。紛失防止に必要なものとなります。
水汲みバケツ(重要度:大)
夜の磯釣りに限らず釣りには使うアイテムです。あらゆる場面で使うので必須に近い道具です。
メーカー等で大きな差はありません。自分の好みのバケツを購入してください。
コマセを作るときに海水を汲む、釣った魚を一時的に保管する、撤収時に磯をきれいにするためなど、あらゆるシーンで使うことになります。
海面まで距離のある高い磯だと、水汲みバケツがないと何もできなくなってしまいます。
ちなみ釣りを始めたばかりの頃、水汲みバケツのことをずっとバッカンだと思ってました・・・。
タモ(重要度:中)
タモのシャフト(柄)は高いものだと5万を軽く超えるような高級品があります。
使ってみると分かるのですが、安いシャフトは操作性が悪く魚がなかなか取り込めないことも多いため、折角釣った魚をバラすきっかけになる恐れもあります。
しかし、夜の磯釣りは基本的にタモを使わずに魚を抜き上げますので、高いタモは必要ありません。安いので十分ですね。
たまに抜きあげられないような大物がかかった時用にタモを使います。そのため、使用頻度はそこまで多くないので、高級なものは正直いらないと思います。
クーラーボックス(重要度:中)
釣った魚を美味しく持って帰るのに必要です。
できれば釣り具メーカーのものが保温性能も良くお勧めですが、ホームセンターの安いものでも問題はないです。
夏場は食べ物などもそこに入れておくと腐りにくくなりますしね。
私は、家でペットボトル1.5Lを凍らせてクーラーボックスに入れて持っていきます。溶けにくいので、コンビニで氷を買うより安上がりなのでオススメです。
また、後で説明しますが、魚を締めて血抜きする際にも凍らせたペットボトルを使います。
釣りメーカーのステッカーを貼ると釣り人っぽいクーラーボックスになります。
まとめ
今回は、夜の磯釣りに必要なタックル、装備について解説しました。何が必須なのか、何にお金を使うべきかのヒントになればと思います。
夜の磯釣りのタックル、装備のイメージがついたよ!
さっそく揃えてみようかな。
そうですね。磯釣りを始めた人ならタックル、装備の大半がそのまま使えると思いますよ。
次はいよいよ「夜の磯釣り」の釣り方、計画の立て方について説明していきます。
コメント